マスカレードイブ
●あらすじ
マスカレードシリーズ第二弾。警視庁によるコルテシア東京潜入捜査以前の、新田と山岸の物語。
大きく分けると、2人のバックグラウンドを描く章と、2人が間接的な接点を持つ事件の章に分かれている。そして、最後は、衝撃のシーンで終わる。
●感想
尚美のシーンは、率直にホテルマンとは、素晴らしい職業だと再認識し、かつプロの接客業として、どのような客にも真摯に向き合う姿が感服に値するものであった。
新田のシーンは、ストレートにミステリ小説を楽しむことができた。東野圭吾の手腕により、現場がありありと想像できるため、まるで事件の関係者になったような気分で読める。
そして、マスカレードイブ。交換殺人という手法を見抜く新田も、設定する著者も天才だと思った。
最後には長倉麻貴も登場し、マスカレードホテルとのつながりを見せる。まさに何かが起こる序章のような形で幕を閉じ、全てのパズルのピースが揃ったような感覚で、スッキリした終わりであった。